食欲の秋ですね。美味しいものをたくさん召し上がっていますか? こちらの記事でも何回かマインドフルネスについて書いていますが、今日は「食べ方編」を紹介したいと思います。
実は、マインドフルネス「食事編」の基本は、ルールが細かいんですよ。
例えばこんな感じです。
・食材を口に運んだら箸を一度置き、口に食材を運び、また箸を置く。
・食事中は一言もおしゃべりしちゃダメ
・ご飯の上に何かをぶっかけるなんてもっとダメ
(つまり、カレーとか丼物はNGということでしょう……)
このプロセスを続けて、食事に感謝しながら食べるんですが、正直まどろっこしいです。
思春期をとうに過ぎた私でも、もっとガツガツ食べたくなってしまいます……。
以前、マインドフルに食事をする体験会に参加した事があり、あまりに手間がかかるので(お坊さんは、本当にこんなにゆっくり食べてるのか?)と、目の前に座っていた数人のチベット僧の方々を観察してみました。
すると、
マイスプーンを持っていた若いお坊さんは、普通にガツガツ食べていて(……)、
彼が途中で隣の先輩の皿をのぞいたら、あまりに自分のペースが早いと気づいたらしく、そこから超ゆっくり食べ始めた、という、見てはいけない光景を目にしたことがあります。
このときから、この方法で食事のマインドフルネスを実行するのはムリがあると判断しました!
そんな訳で、今回はもっと気楽なやり方を紹介しますね。
こっちはすごく簡単で、多くの気付きが得られますよ!
秋は果物も美味しい季節。
今日は「1粒のぶどう」をmindfullyに食べてみます。
まず、目を閉じましょう。そして、このぶどうが、あなたの手元にくるまでのストーリーを想像してみます。
土壌があり、太陽があり、果樹園で働く人達がいます。
肥料を与え、果実が熟すとそれを収穫する人もいます。
箱詰めする人、市場まで運ぶ人、スーパーで陳列する人などなど。
2次的なつながりを考えるとその数はとても多いですね。
更にその一人一人にも、家族がいます。
生命がないものに視点を移せば、土、肥料、コンクリートに至るまで、とんでもない数が、1粒のぶどうに関わっているのです。
考えてもみなかった関係性を、考えてみましょう。どんな気持ちがしますか?
感謝? 悲しさ……? 正解は一つではありません。
さて今度は、あなたは生まれて初めて「ぶどう」を見た幼子だと想像して下さい。
初めて「ぶどう」を見たエイリアンだと思っても結構です。
色、形、におい、手触り、どんな好奇心で、ぶどうを見ますか?
そしてその1粒を口に入れたら、どんな食感や味がするでしょうか? 目を閉じて、ゆっくり味わってみます。
唾液はどうですか? 香りはしますか? 同じ注意の仕方で、二個目も食べてみます。
ここで、どんな事を考えたのかも振り返ってみましょう。
「この1粒にはどれくらいの糖質が含まれているのか?」「これを食べたら太っちゃう」「うちにはもうフルーツがなかったから、買い足さないと」などなど、「美味しい」以外にもたくさん出てきますよね。
ポイントはココです。
「ぶどうを味わう」という一つのきっかけが、どれほど多くの不安や焦りを呼び覚ますトリガーになるのか。
この点に気づきましょう。
私たちは毎日、ささいなトリガーからたくさんの心配事を紡ぎ出していますよね。
注視の中身を変えてみると、何の変哲もない1粒のぶどうが、特別なぶどうになります。
ダイエットにもぴったりです。
おすすめは、『お菓子』をマインドフルに食べること。
わたし、甘いお菓子が大好きなんですよ。
そこで、カカオ72%とかのチョコをマインドフルに食べると、味わう過程で、かならず「ンガァーッッ!!!(喉の奥が甘過ぎて悲鳴をあげる音)」となるんです。
そうすると、1個でもういいや、となりますね。
これやらないと、3個くらい平気で食べるので太るんです。
この秋。何か一つをマインドフルに食べることを、ぜひトライしてみて下さい。
参照:
UCLA Mindful Rersearch Center MAPS Ⅰ
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